はじめに
このスボーツ歯学は、昨年4月より全国委員会が発足し、各都道府県に委員会を設置し始められました。
現在、研究の最中です。すでにアメリカでは、1980年頃よりスポーツ歯学の研究をされて、かなりの成果を得ております。自分も、スポーツ愛好家として昨年4月よりこのスボーヅ歯学の勉強をしてまいりました。何かとデータが少なく参考になるかどうか分かりませんが、すでに数人の患者様に使用して成果を上げております。
私の現在分かる範囲で、この件に関しまして以下お答えします。
また、スボーツ医学の名医と言われ、月に一度お見えになる埼玉医大口腔外科講師佐野次夫先生、フィヅトネスインストラクター小川良子先生の意見もいただきまして、これを作成しました。
《スポーツ歯学》
現在、スポーツ医学の面では健康管理としてレクレーション、腰痛対策、糖尿病のリハビリなどで大変よく知られています。スボーツ自体が、人間構造理論のもとで行われていることが分かっています。しかし、意外として『歯』と『スポーツ』との深い関係があることは知られていません。すでにこれを着眼したのがアメリカで、1984年のL.Aオリンビックの時には、かなりの選手が口腔ケアに心がけたそうです。(カール・ルイスがマウスガードを使用していたのは、フォーカスでも取り上げられました)
以降、目本でもかなりの情報と研究を重ね、現在ある程度この理論が確定されました。シドニーオリンピックで世界レベルになったのも、この背景があると言われています。また、Jリーグなどの選手もこれから説明するこのマウスガードに着眼してきました。スポーツなどによっては、しなければならないスポーツ競技もあります。昔から一流のスポーツ選手に歯の悪い人はいないといわれています。
1.歯と運動能力
最近の食事は柔らかいものが多くなり、しっかり噛むことが少なくなりました。しかし、しっかり噛むことは健康に良いうえ、握力などの基礎的な筋カが噛む力に大きな影響を与えます。
噛むことの最大の意義は、食べ物に含まれる栄養成分を効率良く吸収できる点にあります。良く噛んだ場合、食事の進行とともに血糖値も緩やかに上がっていきます。また、噛むことにより神経系や血管系に刺激を与えます。つまり頭、首、肩周辺の筋肉を動かすことによって脳の神経系や血管系を刺激するのです。おいしい食事を良く噛んで味わえば、交感神経の働きが活発になり、食事の体熱産生も向上します。噛む力を向上させるために、普段から食物を良く噛んで、噛む筋肉を鍛える癖をつけることが大切です。
あるデータによると握力が強い人は、噛む力も強いことが分かっています。ここでよく言われる「歯を食いしばって頑張る」という行為に注目して運動への影響が考えられています。
人は重い物を持ち上げようとする時、口を開けて持つ人はいません。歯を食いしばっています。この「食いしばる」と言う行動は脊髄レベルの運動ニュートンの興奮性が充進することが分かっています。特に、足のふくらはぎにあるというヒラメ筋への影響は大きいものです。
これは、東京医科大学推進機能構造築学分野教授の大山先生が研究したものです。実際に、大宮アスレジャ」のメンバーにこれから説明するマウスガードを使って練習したところ、キックカが20%UPしたと言う報告をいただいております。2.姿勢反射運動には姿勢反射と言うのがあります。
人は首と腰に反射を保つ作用があります。首とか腰が動くと、それにつれて手足が動くように生まれつきできています。突然後ろから腰を押されても人は、「腰を押されたから手を出して」とは考えません。無意識に手が出ます。これが反射です。特にスポーヅ選手にはこれが大切です。
昔からスポーツ選手は頭を動かすな、腰を据えてと言われますがこの言葉はこの反射と深い関係があります。スポーツ選手の能力が落ちるのは腰と首に散障を抱えてダメになるケースが多いのもこの為です。人は6〜8kgもある頭を運動中も支えなくてはなりません。頭がふらふらしているとそれを腰でカバーしなくてはいけなくなり、それが体全体の歪みとして姿勢にあらわれてきます。
さてここで姿勢に関してふれておきます。
スポーツをすることに大切なのは正しい姿勢であり、正しい姿勢を保持することにより、静止時、運動時ともに関節筋が無理なく効率的に機能します。不良姿勢が続くと、運動時に関節筋に対して過剰な負担がかかります。また、この状態で運動を続けると慣性的なストレスが生じけがや障害につながります。
正しい姿勢を保つには、腹圧を高めることです。腹圧をかけずに運動を続けると慢性的なストレスがかかり、腹痛などの障害を起こしやすくなります。腹圧を高めるためには、腹横筋が必要になります。
〈体の歪みに影響する筋のアンバランス〉
目常のトレーニングで偏った筋強化や、目常生活の癖より特定の筋肉に緊張が続くことがあります。これにより、緊張している方向へ骨格が引っ張られ、体の歪みへとつながります。
体の歪みは、オーバーワークよりも困難な障害を起こしやすくします。筋のバランスをとるためには、1.柔軟性を向上させること2、バランス良く強化することです。強化した筋肉はストレッチ、マッサージ等で調整することが望ましいですね。
3.マウスガード
さて、スボーツに関するいろいろな方面でお話をさせていただきました。ここで、スポーツ歯学の中で現在注目されているマウスガードについてお話したいと思います。
一般的には、「マウスビース」と呼ばれているようですが、スポーツ歯学の分野では「マウスガード」と呼ばれています。厚さ2〜3mm程度のビニーノレシリコンで作ったものです。関東ラグビーフットボール協会メディカルソサエティではマウスガード装着の完全義務化を目指しています。
☆マウスガードの種類
(ストックタイプ)
市販されている即製の製晶で、誰にでも合ういろいろな大きさのものがあり、そのまま口腔内に入れて使用するタイブのものと、ビニール状のものを軟化して口腔内に合わせるタイブのものがありますが、外傷予防効果が低く装着感が悪いこと、咬合関係の破壊につながるなどとお勧めは出来ません。
(カスタムメード)
歯科医師が口腔印象を採得して、石膏模型を作製し、一人一人の口腔の状態や窟列、噛み合わせ等を考慮して作られるマウスガードです。装着感もよく、違和感も少ないうえ、予防効果も期待できます。色も青、黄色、透明の3種類あります。健保適応で、2回の通院にて出来ます。
〈マウスガードの効果〉
アメリカンフットボールやラグビーなどのコンタクトスポーツでは、顔や口においていろいろと外傷が発生する確率が高いと言われています。確かに月に一人ぐらいは患者様がスポーツ中に「歯がおれた」とか「唇を切った」との急患があります。
現在、安全に楽しむためにも、また競技を普及させるためにもブレイヤーの安全対策より、マウスガードの普及が求められています。すでに、導入されている学校も多いそうです。
マウスガードを装着することによって、口腔領域における外傷の頻度や程度が80%近く軽くなるというデータも認められています。また、前述しておりますヒラメ筋反射にも効果があり、左右の姿勢バランスにも効果的であると考えられます。
4.欠点と今後の課題
すべてのスボーツに対し、このマウスガードが効果的であるとは考えられませんが、外傷防止として考えると、格闘技やラグビー等、コンタクトスポーツに参加する選手には、マウスガードの装着をお奨めします。
また、サッカー等のスポーツではキック力のUPという点でもお奨めします。陸上競技では、短距離、長距離では逆に装置感等が気になってマイナスの点が起こるかもしれません。走り幅跳び、ジャンプを必要としているものはすでに効果があるとされています。(カール・ルイスがやっていました)また、初めの頃は異物感が強く感じられます。他のスポーツに対しては、現在研究中です。逆にデータを欲しいと思います。ただ一点、口腔管理状態が悪いと装着はお奨めしません。
@歯肉炎の状態
A虫歯
B顎関節症がある場合は、治療をしてからのほうが良い
学生さんが使用するとしたら、口腔指導と共に詳しいことを理解してからでないと出来ないと思います。
以上現在、私が勉強、また何人かの方々に使用していただいたデータをもとに作らせていただきました。
最後に参考になれば、この呼吸法についてふれさせていただきます。
5.呼吸法
この呼吸法は、スポーツにかなり密接な関係があります。呼吸をコントロールする習慣を身につけておいたり、故意に筋肉を緊張させてリラックスしている時との違いを自覚できるようにするなど、スボーツ選手は様々な方法を実践しているそうです。
特に、「メンタル・トレーニング」という言葉が盛んに使われるようになってきました。自分の能力を最大限引き出すためにはプレッシャーに負けないこと、つまり大舞台でも舞い上がらない精神的な強さが欠かせません。その強さを身につける方法として注目されているのがメンタノレ・トレーニングです、ここ一番で緊張しすぎる(いわゆるアガリ)のはスポーツ選手に限ったことではありません。自分自身をアガリやすいタイブだと思っている人もいるでしょう、
しかし、アガリというものは必ず克服できるのです。これは数多くのスポーツ選手が、トレーニングを積むことによって成功しているという事実が明らかです。アガリ防止の為にまず必要なことは、いっ、どこでアガリを経験したか、そのとき心身はどのような状態であったかを知ることです。理由がわかれば対処することも可能になります。あらかじめ緊張しそうな場面をイメージして、繰り返し予行練習を行ったり、呼吸をコントロールする習慣を身につけておきましょう。
学校歯科医 杉澤 満
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